子猫を拾ったら、まずは応急処置として段ボール箱を用意し、その中にタオルや毛布と湯たんぽ(ペットボトルにお湯を入れてタオルでくるむ)を入れて、子猫の安全を確保してください。
子猫がぐったりと弱っていれば、すぐに動物病院へ連れて行きましょう。
よく動き、ミーミーと大きな声で鳴いているようであれば、このまま記事を読み進めて「子猫に必要な飼育用品」を準備してください。
子猫の【週齢】を推測する
「子猫」と一口に言っても、生まれたばかりの乳飲み子猫と、生後1ヶ月の子猫では、食べるものや必要な飼育用品が異なります。
この記事では赤ちゃん猫の成長段階を3つに分けて、それぞれ必要な飼育用品を解説します。
◆乳飲み子期:生まれて3週間以内
◆離乳期:生まれて4週間~6週間くらい
◆子猫期:生まれて1ヶ月半~2ヶ月
拾った子猫の週齢がわからない場合は、こちらの記事を参考にしてください。
【乳飲み子期】飼育用品リスト
主食がミルクの乳飲み子猫に必要な用品はこちらです。
- 保育箱
- サイズは30~50cmくらい。大きすぎると保温性が下がるのでNG
- 材質はプラスチックやシリコン製が、掃除&消毒しやすくておすすめ。段ボールでも良いが、子猫は下痢をすることが多いので、汚れるたびに新しい箱を用意する必要がある
- 生後3週間くらいになると脱走をし始めるので、高さのあるものや蓋つきが良い
- 保育箱には保温のため、上から布をかけておく
- 子猫用の哺乳瓶
- メーカーはミオ(私も愛用中)や森永が、初心者には使いやすい
- 使用前に乳首の先端を小さな円形にカットすると使いやすい
- 子猫用ミルク
- 森永のワンラック・キャットミルク(粉ミルク)は溶けやすくておすすめ
- ミルクは必ず子猫用を使用すること。牛乳は厳禁!猫は乳糖をうまく分解できないため、下痢を起こしやすく、脱水→衰弱で命に危険が及びます
- 子猫用のミルクや哺乳瓶はホームセンター等に売っていますが、入手できなかった場合は動物病院を受診するか、動物愛護センターへ相談してください
- 保温器具
- ペット用のホットカーペット、湯たんぽ、お湯を入れたペットボトルなど
- 湯たんぽやお湯入りペットボトルは、熱すぎると低温やけどを起こすことがあるので、しっかりとタオルで巻いて使用してください
- 毛布やタオル
- ボックスティッシュ
- 排泄補助でたくさん使います
- 湯温計
- ミルクを作る際、お湯の温度を測るのに使います
- ボトル用ブラシ
- 使用後の哺乳瓶を洗うのに使います。ミルクは脂肪分が多いため、哺乳瓶の中がギトギトになります
- キッチンスケール&子猫が入る小さな容器
- 体重測定で使います
- メモ帳
- 体重やミルクを飲んだ量、便の状態など健康記録をつけます
▼ネコリテの愛用品▼
【ミオの哺乳瓶】長年ミオを愛用しています。予備の乳首が1つ付いているので、使用前の先端カットに失敗しても安心です。
【ワンラックミルク】粉が溶けやすく、ダマになりにくいので、ミルクが作りやすいです。
【ユカペット】粗相があっても丸洗いできる♪リバーシブルで使えますが、主にピンク面(38℃)のみ使っています。
写真で解説:保育箱
では、実際に私が使っているものを紹介しますね。
まずは保育箱。
プラスチック製の収納ボックスを使っています。
折り畳み式ボックスは、このようにホットカーペットのコードが下から出せるので便利です。
保育箱で大切なのは「暖かいエリアと常温エリアを作ること」。
赤ちゃん猫はまだ自分で体温調節ができないため、場所の温度がそのまま体温に影響します。
適温は室温30度前後で、人の体感的には半袖でちょっと暑いと感じる程度です。
温度が高すぎると熱中症を起こし、低いと低体温や下痢、風邪などで体調が悪化します。
まだ免疫力が低い赤ちゃん猫にとって、ささいな不調が命取りになってしまうので、温度管理は子猫育てにおいて最も重要なことと言えます。
例えばエアコンで室温30度に設定していても、保育箱の中の気温とは、どうしても誤差が出てしまいます。
そのため暖かいエリアと常温エリアに分けることで、赤ちゃん猫が自分で快適な温度の場所へ移動できるようにします。
例えばこんな状態で赤ちゃん猫が寝ていたら、
暖かいエリア(中央)ではなく、ホットカーペットの熱が伝わりにくい布の上に居るので、常温で十分に快適な気温だとわかります。
そして壁にくっついて涼をとっている子もいるので、ホットカーペットをOFFにしました。
寒さを感じる場合は、子猫同士でくっついて眠るので、その場合はエアコンの温度を上げたり、湯たんぽを入れたりして、温度調整をしてあげてください。
蓋は100均のメッシュパネルで作りました。
赤ちゃん猫はあっというまに成長し、保育箱から脱走を始めますので、蓋を付けておくと安心です。
メッシュパネルの格子の大きさによっては、赤ちゃん猫が脱走しようとした時に、頭が挟まってしまう危険がありますので、2枚重ねて格子を小さくするか、高さのある保育箱へ変更しましょう。
蓋と保育箱はカードリングでとめて、開閉できるようにしています。
写真で解説:ミルクセット
子猫用のミルクと哺乳瓶は、こちらを使っています。
ミルクは森永のワンラック・キャットミルクで、哺乳瓶はミオです。
湯温計はホームセンターで300円くらいで購入。
哺乳瓶を洗うブラシは、100均のすみっこ掃除ブラシを使っています。
哺乳瓶の中は脂質でかなりギトギトになるので、食器用洗剤で洗います。洗浄後に熱湯消毒をすると、より衛生的です。(ミルクは洗い残しがあると、雑菌が発生しやすい)
哺乳瓶の吸い口(乳首)は、先端の穴をこんな感じでカットします。
十字に切り込みを入れるだけでは、吸う力の弱い子は授乳が難しいので、このくらいがベストです。
穴が大きすぎると、勢いよくミルクが流れ込んでしまい、誤嚥[ごえん]で命を落とす場合がありますので注意してください。
乳飲み子猫に多い誤嚥性肺炎とは?
本来ミルクを飲んだら食道へ流れますが、飲み込む量や角度が不適切な場合、誤ってミルクが気管支へ流れ込み、肺炎を起こすことがあります。誤嚥をしたか外見で判断することは難しいですが、授乳中にむせたり、ミルクを吐き出した場合は誤嚥した可能性があります。咳をしたり、ゼーゼーと呼吸に異音が聞こえる場合は肺炎を起こしている可能性がありますので、すぐに動物病院へ連れて行ってください。
写真で解説:毛布とタオル
毛布は何でもOK!私はダイソーやニトリの「ひざかけ」を使っています。
タオルはパイル地のように、小さな輪っかでできたものは、赤ちゃん猫の爪が引っかかりやすいので、避けた方が良いです。
タオルでしたら、マイクロファーバーなどの素材がおすすめ。
写真で解説:体重測定グッズ
ミルクを飲ませる前後に、体重測定をします。
「何g飲んだか」「何g体重が増えたか」など、赤ちゃん猫の健康状態を知るには体重管理がとても重要になります。
体重はキッチンスケール(クッキングスケール)で計ります。
赤ちゃん猫はモゾモゾと動くので、アナログ式では針がブレて測定できないことがあります。
新しく買われるのなら、断然デジタル式がおすすめです。
測定時に子猫を入れる容器は、こういったものを使います。
乳飲み子はモゾモゾと動く程度ですが、1~2週間後には活発に動き、体重測定の容器から出ようとします。
高さ20cm以上のものや、蓋つき容器、虫かごを使えば、脱走されずに計測できます。
容器の材質は、保護した子猫は寄生虫を持っていることが多いため、洗浄&消毒ができるプラスチック製を使っています。
子猫1匹だけを拾われた方は、小さめの段ボール箱でも大丈夫です。
【テンプレート付き】体重記録の書き方
体重記録は授乳の前・後に記録します。
(授乳後の体重)ー(授乳前の体重)=実際に飲んだミルクの量
あらかじめミルクの量を計測しておいても良いですが、飲み残しがあったり、口からこぼれた分などを差し引く必要があるので、授乳前後の体重から算出する方法が一番正確です。
体重記録はこんな感じで記入します。
体重記録から知りたいことは、「毎日の体重増減」「1日で飲むミルク量」です。
◆体重が毎日どのくらい増えているか?
→乳飲み子は毎日5~20gくらい体重が増えるのが正常。2日連続で体重が減っている場合は、健康上の問題があるか、適切な授乳ができていないので動物病院で相談を!
◆1日あたりのミルクを飲む量
→いつもより飲む量が少ない場合は、体調不良の前兆かも。ポイントは1回量はあまり気にせず、1日の合計量で判断すること。便をすると体重が10gくらいガクンと減ったり、あまりお腹が減ってなくて飲まないことがあります。母猫に育てられている場合は、赤ちゃん猫の好きな時にミルクを飲みますので、人工授乳ではタイミングによって飲みムラが起こるのは正常です。
体重記録表のテンプレートは【こちら】 から、ご自由にダウンロードできます。[無料]