子猫の【離乳食】

赤ちゃん猫の育て方

生後3~4週頃、子猫には乳歯が生えてきます。

その時期を目安に【離乳食】の練習をスタートさせます。

子猫の乳歯

子猫は今までミルク(液体)しか飲んだことがないので、

●子猫は食べ物の咀嚼の仕方がわかりません

●胃腸が食べ物をうまく消化できないことがあります

この2点に注意して、少しずつ離乳食に慣らしていきます。

すぐにガツガツ食べてくれる子もいれば、苦戦してしまうケースもあります。

ご自分で子猫を飼われる場合は、のんびりと離乳食の練習をしても大丈夫ですが、いずれ里親募集される場合は、この離乳期がとても重要になってきます。

それはこの時期が、子猫の今後の食生活を大きく左右してしまうからです。

離乳食に失敗すると、偏食をするようになり、里親募集をする際に不利になってしまいます。

この記事では、里親さんが最も飼いやすい状態である「生後2ヶ月でドライフード1日2食」になるための離乳食を説明します。

何を食べさせるの?

離乳食用のキャットフードを選ぶ基準は、

  1. ドライフード(缶やパウチは△)
  2. 子猫用
  3. 総合栄養食と記載されている
  4. 粒がカラフルでないもの

おすすめはイヤルカナンの成長前期の子猫用です。

こちらは粒が小さいので、離乳食の練習にはちょうど良いです。

子猫に缶詰やパウチをおすすめしない理由

ウェットフードには約8割もの水分が含まれています。

そのためメリットは「水分補給が容易」という点ですが、デメリットとしてカロリーが低くなります。ドライフードと比べるとカロリーは1/4程度です。

つまり子猫に必要な栄養を摂取させるには、ドライフードの4倍量を食べさせなくてはいけません。子猫でその量を完食できる子は少ないので、ふやかしたドライフードを離乳食としておすすめしています。

★保護直後や体調不良時など、ウェットフードしか食べない場合には、ウェットフードに子猫用の粉ミルクやカケシア(高カロリー食)を混ぜて与えると良いです。



【一般向け】離乳食の作り方

ここで言う離乳食とは、ドライフードをふやかしたものを指します。

なぜドライフードをふやかす必要があるのかと言うと、

【理由①】まだ胃腸が未成熟→消化しやすくするため(下痢予防)

【理由②】まだお皿から水が飲めない→離乳食で水分を摂らせるため

【理由③】まだ咀嚼が苦手→咀嚼しなくても、吸って食べられるため

最初は水分多めのブヨブヨにふやかした離乳食から始まり、子猫の食べっぷりに応じてふやかす割合を減らしていきます

離乳食の作り方は、まず食器にドライフードを入れ、ひたひたになる量の水(目安はフード1:水2)、またはぬるま湯を入れます。

熱湯はフードの栄養分を破壊してしまうので、40℃以下のぬるま湯を使います。

10~20分くらい経つと、水分がすべて吸収されます。

茶色の濃い箇所は、まだドライフードの芯が残っている(=固い)ので、離乳初期はこれがなくなるまでふやかします。

水分が足りなそうであれば、追加してください。

【ミルボラ向け】離乳食の作り方

ミルクボランティアさんは一度にたくさんの子猫を育てていたり、食餌や体重の記録が必要になりますので、こちらの作り方がおすすめです。

まずは哺乳瓶にドライフードと水を入れます。割合はフード1:水2

フード5gなら、水は10gですね。

計量したら蓋を閉めて、冷蔵庫で保存

容器はたまたま哺乳瓶を使っていますが、蓋付きであれば何でも良いので、タッパーでも大丈夫です。

食餌タイムの終了後に、次の食餌を準備すると効率が良いです

離乳食は4~5時間おきに与えますので、次の食餌タイムにはしっかりブヨブヨに仕上がっています♪

レンジで15秒くらい温めて、子猫に与えます。

実際に食べている様子

実際に食べている様子がこちら。※「ドふ」とは、ふやかしたドライフードの略です

離乳食を始めたばかりの子猫です。

ミルクをよく飲む食欲旺盛タイプで、離乳食も目の前に置くと、スムーズに食べてくれました。

最初のうちは食べ方が下手で、フードがあちこちへ散らかります。

慣れると、きれいに食べられるようになります。

小さめの食器を使ったり、下にペットシートなどを敷いて対策しておくと良いです。


離乳食を食べない時の対処法

まずは離乳食を食べない理由を推測します。

  1. お腹が空いていない
  2. 食べるのが難しくて嫌になっちゃった?
  3. 離乳食を「食べ物」と認識していない
  4. が好きじゃない?
  5. 体調が悪い?→動物病院へGO

元気があって、ミルクは飲むけど「離乳食だけ食べてくれない」という状況でしたら、

置き餌スプーン給餌、フード変更

このいずれかを試してみましょう。

次に詳しく書いていきますね。

【離乳食を食べない場合①】置き餌にする

一番最初に試してほしい方法は、置き餌にすることです。

ミルクボランティアで、離乳食への移行が難しい子たちをたくさん見てきましたが、置き餌作戦でほとんど解決できました

ただし注意点が一つ。

離乳食は水分を多く含んでいるため、置きっぱなしにしておくと、雑菌が繁殖して傷みやすいです。

そのため、置きっぱなしにしておく時間は4~5時間以内を目安にします。

朝ごはんをあげて食べなかったら、そのまま昼まで置いておく感じです。

昼まで残っていたら、次に説明するスプーン給餌を試してください。

【離乳食を食べない場合②】スプーン給餌をする

どうしても食べない子は、スプーンで給餌します。

小さめのスプーンが使いやすく、私はサーティーワンアイスクリームのスプーンを愛用しています。

実際にスプーン給餌している様子は、こちらの動画をご覧ください。

ポイントは、

  • 少量ずつ口に入れる(多すぎて喉に詰まらせないように!)
  • 嫌がって後ろへ下がるので、頭や体を固定する
  • 口を開かない場合は、口角に指を入れて開かせる

スプーンを使うのが難しい場合は、素手で行っても大丈夫です。

少量の離乳食をすくって、子猫の上あごにくっつけて食べさせます。

【離乳食を食べない場合③】フードの変更orトッピング

食べない理由が「フード」の場合、フードを変更することで改善されます。

まずはドライフードを変更してみましょう。

チキン味ならお魚風味にしてみたり、粒の形や大きさが違うものにしてみたり。

それでも食いつきが良くない場合は、缶詰やパウチなどのウェットフードを試します。

離乳食を2種類用意して、ウェットフードだけを食べるようなら「味の好み」が食べない理由だとわかります。

基本的にウェットフードの方が、香りが強く、子猫の食いつきも良いです。

しかし離乳期にウェットフードだけを与え続けると、その後ドライフードを食べなくなることがあるので、与え方には注意が必要です。

いわゆる偏食になりやすいので、ウェットフードに頼りすぎないようにします。

メインはふやかしたドライフードで、ウェットフードは香り付けにトッピングする程度が理想的です。

少しずつウェットフードの量を減らし、生後2ヶ月頃にはドライフードだけを食べられるよう調整していきます。

もしミルクをよく飲む子猫でしたら、ミルクをトッピングするのもおすすめです。

ウェットフードやミルクをトッピングした場合、どちらも雑菌が繁殖しやすくなりますので、置き餌にする場合は2-3時間以内に食べさせましょう

この時期に下痢をしやすい理由

離乳食を始めると、子猫は下痢をすることが増えます。

理由は主に消化不良腸内細菌の乱れです。

今までミルク(液体)しか飲んでいないので、離乳食うまくを消化できないことがあります。

いわゆる胃腸が未発達な状態です。

その場合は無理をせず、離乳食は一旦中止して、4~7日後に様子を見ながら再チャレンジします。

ご注意

歯が生え始めると、哺乳瓶の乳首をかみちぎって誤飲する事故が起こりやすいです。

乳首をかじるようになったら、哺乳瓶は使用せず、お皿からミルクを飲む練習を始めてください。

子猫が下痢をした場合、2日以上続くようでしたら動物病院を受診してください。

下痢で水分や栄養を大量に失ってしまうため、元気そうに見える子猫でも、急に脱水や低血糖を起こしてぐったりと弱ってしまうことがあります。

消化不良による下痢でしたら、整腸剤や抗生剤が処方され、投薬後3日以内に改善されることが多いです。

いつまで離乳食を続けるの?

離乳食終了の目安は、

  • 規定量のドライフードを食べることができる
  • 快便である(消化不良で下痢を起こしていない)
  • 水が飲める

この3点がクリアできれば、成猫と同じような食生活(ドライフード1日2回食)を送ることができます。

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