猫は「犬よりもトイレのしつけが簡単」だと言われています。
しかし一つだけ注意点があります。
トイレを間違えて覚えてしまうと、直すのは犬よりも困難です。
犬のトイレが人間の指示で覚えさせるのに対し、猫のトイレは気付かれないように誘導して覚えさせます。
そのため猫のトイレのしつけは、飼い主さんが快適なトイレ環境を作ることが成功の秘訣です。
では詳しく説明していきますね。
成長段階に合ったトイレを選ぼう
赤ちゃん猫と子猫では、排泄しやすいトイレが異なりますので、それぞれの成長段階に合ったトイレを用意しましょう。
目安としては、生後1ヶ月未満のトイレ容器は高さ5cm程度でしたら、子猫が入りやすくておすすめです。
私はこんな感じで使い分けています。
トイレ・トレーニングを始める3週齢頃は、高さ4cmの容器を使用。
1週間ほど使ってトイレに慣れてきたら、高さ8cmの容器を使用。
生後1ヶ月半頃からシステムトイレ(2層式トイレ)へ移行しています。
砂は離乳期までは紙砂を使っています。
紙砂は白色・無香料がおすすめです。
猫用トイレの種類
ミルクボランティアで育てている子猫は、いずれ里親さんのお宅へ巣立って行くので、生後2ヶ月までにはシステムトイレを使えるように育てています。
猫用トイレは大きく分けて、ノーマルトイレとシステムトイレの2種類があります。
システムトイレのメリットは匂いにくい、おしっこの片づけ頻度が少ない、採尿が簡単(尿検査時)という点。
我が家で使っているシステムトイレはこちらです。
上段に猫砂を入れ、下段の引き出しには犬用ペットシーツを2枚敷いています。
猫トイレ用のペットシーツも売っていて、「1匹なら1週間取り替え不要」という製品もあるのですが、我が家は多頭飼育で頻繁にペットシーツを取り替えるので、安価な犬用ペットシーツを使っています。
上段は網目状になっており、猫砂で排尿したおしっこがペットシーツへ吸収される仕組みです。
「昼間は留守にしてるから、夜しかトイレを片付けられない」という人は、システムトイレが便利です。
猫砂の種類
システムトイレ用の猫砂には、必ず「おしっこを吸収しないタイプ」を使います。
ノーマルトイレで使う「固まる猫砂」は下段へおしっこが流れませんので、ご注意ください。
我が家のシステムトイレでは、2種類の猫砂を使っています。
1つ目はパインウッドというおしっこがかかると崩れる猫砂(木製)です。
消臭効果が高いので、長年愛用しています。
デメリットは粉状に崩れた砂が、トイレの外へ飛び散りやすいことです。
2つ目はシリカゲル製の猫砂です。
こちらは崩れないので、粉が飛び散ることはありませんが、消臭面ではやや劣る印象です。
トイレを設置する場所に応じで、以上の2種類を使い分けています。
ノーマルトイレの猫砂には、紙砂・鉱物砂・おから砂などがあります。
初めてのトイレ・トレーニング
ミルクボランティアでは離乳食が始まる生後3~4週間頃から、トイレ・トレーニング(以下トイトレ)を始めます。
この時期に始める理由は、離乳食に切り替わると毎日排便するため(ミルク期は3日に1回程度)、保育箱の中にトイレを設置する必要があるからです。
猫砂は、紙砂(白色/無香料)を使っています。
トイトレで行うことは、
- 保育箱の中にトイレ容器(高さ5cm以下)を設置
- トイレの中に、おしっこを染み込ませたティッシュを置いておく
この2点です。
遅くても1週間以内には、トイレで排泄することを覚えます。
3日経っても変化がなければ、
- 授乳後の排尿補助をやめる
- 寝起き、または授乳/食餌後にトイレへ連れて行く
- トイレの中で排尿補助をする(足の感触で排尿場所だと覚えさせる)
などを試してみましょう。
失敗した時に見直す点① ケージ飼育
トイレ以外の場所で排泄してしまう場合、原因を推測して対処することが大切です。
まず前提として、トイレを覚えていない子猫はケージ飼育をしましょう。
ケージ飼育をすることで、行動範囲が制限されるため、トイレを覚えやすいというメリットがあります。
下の写真のように子猫を室内でフリーにさせたままでは、トイレを覚えることは難しいです。
小さな子猫にとって、6畳程度の部屋もサッカーグラウンドのように広い場所です。
例えるなら【3歳児を長時間サッカーグラウンドに放置し、トイレに行きたくなったら、自分で探しに行かせる】ようなもの。
トイレを完璧に覚えた子猫なら、室内フリーで遊ばせても、ケージ内のトイレへ行って排泄することができます。
失敗した時に見直す点② きょうだい猫と離す
ケージ飼育をしても、きょうだい猫と一緒に育てていると、トイレ以外の場所で排泄してしまうことがあります。
原因は主に2つあります。
- 排泄時にきょうだい猫が邪魔をしてくる
- きょうだい猫の排泄物、またはその匂いが気になる
この場合はきょうだい猫を離し、トイレを覚えるまで別々のケージで育ててください。
失敗した時に見直す点③ 猫砂を変更する
猫はトイレに対して神経質な子が多いです。
中でも猫砂はこだわりが見られます。
どんな猫にも好まれるのは、自然界の砂に似た鉱物砂です。
私がミルクボランティアで育てた子猫は、今のところ紙砂で大丈夫でしたが、他のボラさんはいろんな猫砂を試した結果、鉱物砂で解決することが多かったそうです。
個体差はあると思いますので、猫砂の素材や大きさなど、その子の好みに合うものを見つけてあげてください。
誤飲に気を付けて!
トイトレで最も注意すべきことは、猫砂の誤飲です。
幼児が何でも口に含んでしまうように、子猫も「これ何だろう?」と猫砂を食べてしまうことがあります。
食べた量や粒の大きさによっては、腸に詰まってしまい、開腹手術が必要なケースもあります。
手術で取れればまだ良いのですが、幼齢すぎて麻酔がかけられないと、手術もできず命を落としてしまう恐れがあります。
トイトレ期間中および猫砂を変更した際は、猫砂を口に含んで遊んでいないか、しっかり監視しておくことが必要です。
まとめ
子猫にトイレを覚えさせるポイントは、以下の通りです。
- 体のサイズに合ったトイレ容器を使おう
- トイレにおしっこを染み込ませたティッシュを置いておくと覚えやすい
- ケージ飼育をするとトイレを覚えやすい
- きょうだい猫が排泄の邪魔をする場合はケージを分ける
- 猫砂の誤飲に気をつける