こんにちは、ネコリテです。
ペットを飼っていると、旅行に行く際の預け先で迷うことってありますよね。
一緒に旅先へ連れて行くか、知人やペットホテルにお願いするか、それともペットシッターに頼むか。
私の場合、普段は身内に頼むことが多いのですが、どうしても都合がつかない時があり、10年ほど前に初めてペットシッターを利用しました。
その際は丁寧にお世話をしていただき、特に問題もなく安心してお願いできました。
しかし数年後、再びペットシッターを頼む必要が出てきた時のことです。
引越しをしていたため、以前のペットシッターさんではなく、新たに別のシッターさんへ依頼することになりました。
ところが、この時の体験が想像を超えるほどひどく、今でもトラウマとして残る出来事になっています。
この記事では、その時の経験をお話ししながら、これからペットシッターを利用しようと考えている方に、選び方のポイントや注意点をお伝えしたいと思います。
ペットシッターのトラブル実例
打ち合せでは好印象
私がペットシッターを選ぶ基準は、こちらの2点でした。
- 家から近い(遠方は交通費や移動代が高額になるため)
- 動物取扱責任者の登録がされている

ペットシッターは「第一種動物取扱業/動物取扱責任者」の登録が法律で義務付けられているよ
「良いシッターさんかどうか」をHPだけで見極めるのは不可能なので、通常、人柄や対応力などは事前の打ち合わせで確認することになっています。
今回の最悪ペットシッター(仮称Aさん)とも、お世話内容や注意点について、1時間ほど打ち合わせをしましたが、温和で誠実そうな印象で、シッター歴10年ということもあり、安心してお任せできると感じました。
お世話は1日2回、ペットの様子をLINEで報告していただくことになり、料金は前払いで支払い済み。
こうして、私は安心して旅行に出発しました。
報告LINEが多すぎる問題
旅行初日、シッターAさんからのLINEの受信音が鳴り続けました。
「マメに報告してくれているんだな」と思いつつ、電波の悪い場所にいたため、ホテルに着いてから確認することに。
すると、1回のお世話で送られてきたLINEの総数が…

なんと80件超!
何かトラブルでもあったのかと心配しましたが、送られてきた内容は通常の作業報告でした。
そして届いた写真の8割以上は「なぜ撮ったの?」という無駄なものばかり…。
例えばお世話中は換気をお願いしていたのですが、窓の写真と一緒に「換気しています」という報告だったり、飲み水の写真と一緒に「お水を交換しました」といったもので、すべての行動が写真付きで送られてきました。
もっと効率よく報告してほしいと思いながらも、この時はまだ「几帳面な方だな」とポジティブに捉えていました。
不安を感じた瞬間
そんな大量に届いた写真の中に、気になるものが1枚ありました。
ペットの様子を撮ってくださった写真ですが、奥にある倉庫の扉が開けっ放しになっていました。

倉庫には飼育用品が置いてあり、普段ペットの立ち入りを禁止している場所です。
倉庫へ出入りしている最中に撮った写真かと思いましたが、念のため、Aさんへ扉を閉じたか確認の電話をしたところ、
「たぶん、閉め忘れてます」
と言われました。
電話を掛けたのはAさんが作業を終えて、帰られた後。
翌日のお世話へ来てもらうまでの間に、犬猫たちが倉庫で入ってイタズラをする可能性大です。
「倉庫にはペットフードもあるので、かじってしまうかもしれません。すみませんが、扉を閉めに戻っていただけませんか?」
そうお願いすると、Aさんからは予想外のリアクションが…。
「そうですよね。ペットフードが散らかって、部屋が汚れたら嫌ですよね」
ん??この人は何を言ってるの?
「いえ、部屋が散らかるのは構いません。私が心配しているのは、犬猫がフードの袋をかじって誤飲してしまうリスクです。袋が腸に詰まったら、最悪は開腹手術になるんですよ!」
そう説明してもAさんには響かず、『大袈裟な飼い主だな』という感じで危機感は全く感じられませんでした。
あくまでもAさんにとっては、『大したことない出来事』なのです。
「自分の過失は認めます。でも扉を閉めに戻るのは、時間も労力もかかります。その分の作業代は支払ってください」
え?Aさんのミスをカバーするのに、追加料金がかかるの??
結局ペットの安全を守るために、やむを得ず支払うことになりました。
おそらく玄関のカギを閉め忘れたような場合は、追加料金なしで家へ戻っているかと思います。
しかし倉庫の扉となると、個人によって危機管理意識の違いが生じてしまうので、この差を埋めることは難しく、事前に価値観のすり合わせが必要だなと痛感しました。
再び追加料金が発生
初日から波乱の幕開けで、翌日も無駄に大量のLINEが送られてきました。
Aさんへの信頼がゼロになり、LINEは受信してすぐに確認するように。
おかげで旅行のプランが中断したり、全く楽しめなくなりました…。
さらにAさんからは「思ったよりお世話に時間がかかる」という理由で、追加料金を要求される始末。
事前にしっかり打ち合わせをし、合意した内容なのに…。
まるで、ペットを人質にした脅迫のようだと感じました。
Aさんは、
「頑張ってお世話をしているので、妥当な料金アップだと思います」
と主張されていましたが、報告LINEからはあまり効率よく作業されていない様子がうかがえ、ペットシッター詐欺の疑いも感じてしまいました。
しかしここで支払いを拒否をしたら、ペットのお世話を途中放棄されてしまう…。
結局、すぐに帰宅できないこちらが折れるしかなく、言われた通りの追加料金を支払いました。
帰宅後の衝撃
Aさんへ依頼した時期は、まだ暑さが残る「秋」でした。
そのため気温の高い日は冷房を付けてもらうようお願いしていたのですが、それが守られていませんでした。
旅行を終えて帰宅してみると、家の中がまさかのサウナ状態!
おそらくAさんが朝に来た時は涼しく、そのまま冷房を付け忘れて帰られたのだと思います。
幸い、ペットたちは無事でしたが、契約書には「体調不良や死亡について一切責任を負いません」と記載があり、改めて恐ろしくなりました。
以上が、今でもトラウマとして残るペットシッター体験談でした。
今後の教訓
他のペットシッターさんの意見
悪質ペットシッターAを利用したのは、数年前の出来事です。
この一件は大きなトラウマとなりましたが、今回、新たに別のペットシッターさんへお願いすることになりました。
ペットホテルも検討しましたが、やはり猫さんにとって環境の変化は大きなストレスになるので、ペットシッターを選択しました。
新しいシッターさんとの打ち合わせでは、過去の反省を踏まえ、細かい部分までしっかり確認させていただきました。

ペットフードを保管している倉庫に犬猫が入り込んでしまったら、シッターさんはどのようなことが起こると想定されますか?

フードを大量に食べてお腹を壊したり、パッケージの袋をかじって誤飲の危険があると感じます

(よかった、同じ価値観だ)
ではシッターさんがその倉庫を開けたまま帰られた場合、扉を閉じてもらうのは追加料金がかかりますか?

いいえ、こちらのミスですので追加料金はいただきません。基本的に原状回復して作業終了とします

追加料金が発生するのは、どんなケースですか?

例えばペットちゃんが急病で病院へ行く必要がある場合は、通院にかかった時間を追加請求させていただいています

それは当然の請求ですね。ではトラブルなどがなく、想定よりお世話に時間がかかってしまった場合はどうなりますか?

初日は慣れていなくて時間オーバーすることが多いですが、慣れてきたら次第に時間内に完了できるので、追加料金はいただいていません

ちなみにLINEでの作業報告は、1回あたりどのくらいの量を送られますか?

状況にもよりますが、写真は5~10枚ほどお送りしています。外出中の飼い主様のご負担にならないよう、報告は必要最低限にとどめています。また写真撮影は意外と時間がかかるので、それよりもペットちゃんのお世話を優先させてもらっています
たくさんの質問させていただき、善良なシッターさんだと感じました。
しかし悪質ペットシッターAも打ち合わせの段階では好印象だったので、まだ漠然とした不安が拭いきれません。
信頼関係は少しずつ積み上げていくものなので、何度かお世話になるうちに、少しずつ安心できるようになれたら良いなと思っています。
ペットシッターは「動物のプロ」じゃない
悪質ペットシッターの経験から、シッターさんに対するある誤解に気付きました。
それはシッターさんは犬猫のプロフェッショナルではない、ということ。
★ここでいうプロフェッショナルとは、犬猫の扱いがトレーナーさん並みに上手であったり、犬猫の習性や獣医学、危機管理に関する知識が豊富なことを指します
中にはプロフェッショナルな方もいらっしゃいますが、それはごく少数。
そもそもシッターさんの仕事内容は、飼育環境を整えることがメインなので、シッター歴が長いからといって、必ずしも犬猫の扱いが上手とは限りません。
ペットに関する国家資格は「獣医師」と「愛玩動物看護師」の2つのみで、それ以外は民間の資格になります。民間資格は通信講座で簡単に取得できたり、「実技試験」がないものも多く、肝心の「犬猫の扱いに慣れているか」を判断することができません。
私の中で「犬猫の扱いに慣れている人」の基準は、一筋縄ではいかない犬猫とたくさん触れ合った経験がある人だと思っています。
そのため、多くのペット資格を持っている人よりも、「動物病院での勤務」や「保護活動」などの経験が豊富な人の方が、犬や猫の扱いに長けているのではないかと想像します。
ペットが1匹だけなら、どんなシッターさんが来てもあまり差はないのかもしれません。
ですが2匹以上を飼っていて「お互いのフードを食べないよう、それぞれのケージ(または部屋)で食事をさせてほしい」といった要望がある場合は、犬猫の扱いに慣れたシッターさんを選ぶことが重要です。
なぜなら不慣れなシッターさんでは、犬猫をケージや部屋へ誘導できない可能性があるからです。
打ち合わせの時点で、
「人見知りする猫ちゃんには触れないため、ケージでの食事管理は難しいです」
といった申し出があれば、あらかじめ別の手段を用意しておくことができます。
しかし「できる・できない」の線引きが曖昧なシッターさんだと、外出先でのやり取りに時間を取られてしまい、かなり疲弊します。
そして依頼したお世話をやってもらえなかった挙句、
「できなかったけど、時間オーバーして頑張ったんだから追加料金を払ってください。払わないなら明日から訪問しません」
なんて脅迫めいたことを言われたら、もう悲劇でしかありません…。
◆悲劇に遭わないためのポイント◆
- シッターさんを「犬猫のプロ」と過信しない。初めてのシッターさんに対しては「便利屋さんが犬猫のごはんを与えに来てくれている」という感覚でいると良い
- 犬猫に直接触れるお世話に関しては「可能かどうか」「できなかった場合どうするか」「追加料金の有無」などを確認しておくこと
- 室温の管理は「寒かったら/暑かったらエアコンを付けて」という指示は、個人の体感差に影響されるので「何℃以下/以上だったらエアコンを付けて」など数値で表すと良い
- ただし訪問時に適温でも、数時間後(シッターさんが来ない時間帯)の温度まで予測する必要があり、その配慮ができないシッターさんもいる。心配がある場合は、常時エアコンを付けっぱなしにしておく。契約書には「作業中のペットの事故には一切責任を負いません」という主旨の文章が含まれているので、シッターさんがエアコンを付け忘れたことで、ペットが熱中症になったり死亡しても、責任を追及することができません。マジで室温管理は慎重に!
ペットシッターさんは十人十色
今回新たにペットシッターさんを探すにあたり、「ペットシッター業界の常識」などを知りたくて、他エリアのシッターさんのHPも見てみました。
すると各ペットシッター会社(または個人)によって、ルールや価値観は様々でした。
ごはんの準備
◆量を教えていただければ、計量して給餌します
◇ペットシッターは計量しません。必ず1回分を小分けにして用意してください
訪問時の換気
◆希望があれば窓を開けて換気します
◇脱走予防の為、換気はできません
飼育用品の準備
◆打ち合せ時に飼育用品の保管場所を確認します
◇使用する飼育用品は、1箇所にまとめて置いてください
追加の依頼
◆打ち合わせ後に「これもお願いしたい」ということが出てきたら、メモを置いておいてください
◇追加の依頼内容が出てきたら、お世話が始まる前にご連絡ください。現場でメモの解読ができず、お世話中に飼い主さんへ確認の電話をする必要が出てくるため
お留守番中の報告
◆メールやLINEで写真付きの報告をします
◇報告書を書面で作成しますので、ご帰宅後にゆっくり読んでください
ペットシッターには柔軟に対応してくれるタイプと、ルールを厳格に守るタイプがいると感じました。
個人的には、ルールを徹底するタイプに安心感を覚えます。
というのも、決められたルールには過去の経験から学んだ知識が反映されており、「ペットの安全を確保するため」「効率よく作業を進めるため」といった目的があると考えられるからです。
柔軟な対応は助かる反面、リスクへの備えが手薄になることもあります。
どちらが合うかは人それぞれですし、実際に依頼してみないと分からない部分も多いですけどね。
まとめ
- ペットに対する安全意識が低い(扉を開けっ放し、エアコン付け忘れ)
- シッターのミスが原因で起きた作業に対して、追加料金を要求してくる
- 作業効率の悪さを省みず、延長料金を要求してくる
- 何をやらかすかわからないので、報告LINEはリアルタイムで確認が必要(外出先でかなりの負担)
この苦い体験を繰り返さないよう、ペットシッター選びは次の点を気を付けるようにしました。
<以前からの条件>
- 家から近い(遠方は交通費や移動代が高額になるため)
- 動物取扱責任者の登録がされている(これがないと違法)
<新たに追加した条件>
- 追加料金が発生する事例を確認する
- シッターの過失による作業に、追加料金が発生するか確認する
- 報告LINEの頻度を確認する(トラブルがないのに報告量が多すぎる人は、作業効率が悪いかも)
ペットシッター自体はとても便利なサービスですが、人選を間違えると大変な目に遭います。
良いシッターさんを見つけるためには、投稿数の多い口コミが一番信頼できると思います。
しかし地方ではシッターさん自体が少なく、口コミが投稿されることも稀です。
その場合は「実際に試してみないとわからない」というギャンブルになってしまいます。(私がそうでした)
ペットシッターを利用した人の「リアルな声」はあまり見かけないので、この体験談が少しでも参考になれば嬉しいです。