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【猫の腎臓病4】嘔吐で受診!こんな薬が処方されます

ノワ治療中
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こんにちは、ネコリテです。

猫との暮らし方や悩み事など、実体験をもとにブログを書いています。

今回は愛猫が嘔吐で受診した際の処方薬についてまとめました。(腎臓病とは直接関係はありません)

「吐き戻し」は医学的に2種類に分けられています。

①【嘔吐 おうと】胃に入った後の食べ物を吐くこと→胃腸疾患の疑い

②【吐出 としゅつ】胃に入る前の未消化物を吐くこと→食道疾患の疑い

愛猫ノワちゃんの場合は嘔吐がメインで、たまに吐出がありました。

本記事では嘔吐でどんな薬が処方されるのか、体験談を交えてまとめました。

胃酸を抑える薬

胃酸消化や殺菌に役立っていますが、胃が弱っている時は胃にダメージを与えてしまうため、薬で胃酸の分泌を調節します。

胃酸を抑える薬は「H2ブロッカー」「プロトンポンプ阻害薬」、このどちらかのタイプを処方されることが多いです。

H2ブロッカー

<特徴>

胃酸は3つの神経伝達物質(アセチルコリン、ガストリン、ヒスタミン)によって分泌が促進されます。H2ブロッカーはヒスタミンの結合を妨ぐことで、胃酸の分泌を抑えます。

※H2=2型ヒスタミン

<代表的な薬>

・シメチジン(製品名 タガメット)
・ファモチジン(製品名 ガスター)
・ラニチジン(製品名 ザンタック)

プロトンポンプ阻害薬(PPI)

<特徴>

胃酸分泌の最終段階であるプロトンポンプを阻害することで、胃酸の分泌を抑えます。

<代表的な薬>

・ランソプラゾール(製品名 タケブロン)
・オメプラゾール(製品名 アメル、オメプラール、オメプラゾン)

それぞれの薬が作用するのは、こんなイメージです。

H2ブロッカーはヒスタミンが結合しないようブロックして、胃酸の分泌を抑えるイメージです。

プロトンポンプ阻害薬は、その名の通りプロトンポンプという胃酸分泌の最終段階を阻害して、ダイレクトに胃酸を抑制するイメージです。

体へ効く仕組み(=作用機序)が異なることで、同じ「胃酸分泌抑制薬」でもこのような違いが見られます。

ちなみに薬の名称を「製品名」「成分名」どちらで呼んでいるかは動物病院によって異なるので、処方されたことがある薬は、両方の名称を覚えておくと良いです。

例えばA病院で「シメチジン」をもらったけど改善せず、セカンドオピニオンへ行ったとします。

B病院で「タガメット」を処方されたら、どちらも同じ成分の薬なので、効かない薬を再び飲ませることになってしまいます。

セカンドオピニオンへ行った際は、

「前の病院でもらった胃腸薬を1週間飲ませていました」

と説明するよりも、

「前の病院でもらったシメチジンを1週間飲ませていました」

と薬の名称を伝える方が、先生も治療法を決めやすくなります。

消化管粘膜を保護する薬

<特徴>

胃や十二指腸の粘膜を保護し、胃酸などから胃腸を守ります。

薬の影響で食事や他の薬剤を吸収しにくくなるので、食事の前後2時間を避けて投薬します

<代表的な薬>

・スクラルファート(製品名 アルサルミン)

引用元:LION スクラート胃腸薬

薬が作用するのは、こんなイメージです。

胃や十二指腸に保護膜を張り、胃酸などの刺激から守ります。

十二指腸とは?
  • 小腸は十二指腸・空腸・回腸の3つに区分されていますが、一般的には空腸・回腸を小腸と呼びます
  • 十二指腸は小腸の始まりの部位で、胃と小腸をつないでいます
  • 食べ物は口→食道→胃→十二指腸→小腸(空腸・回腸)→大腸の順に消化・吸収され、これらの臓器の総称が消化管です
  • 十二指腸は胃とつながっているため、胃酸の影響を受けやすく、胃よりも酸に弱いためダメージを受けやすい部位です

人間でもストレスなどで、十二指腸潰瘍になる方は多いです。

その理由は胃から近く、胃酸のダメージを受けやすいからなんですね。

消化管の動きを促進する薬

<特徴>

アセチルコリンの分泌を促進し、胃腸の運動を活発にする薬です。

先ほど胃酸分泌で登場した神経伝達物質「アセチルコリン」は、胃酸分泌以外にも様々な役割を持っています。

その一つが胃腸を活発にする働きです。

<代表的な薬>

・モサプリド(製品名 ガスモチン、プロナミド)
・メロクロプラミド(製品名 ボミットバスター、プリンペラン)

ボミット(vomit)は「吐く」という意味で、こちらは吐き止め薬としても使われています

吐き止め薬

<特徴>

「嘔吐」は医学的に2種類に分けられています。

【1】末梢性 胃腸が弱っている、消化管の問題など

【2】中枢性 乗り物酔い、抗がん剤など薬の副作用、腎臓や肝臓の障害、脳の問題など

吐き止め薬は嘔吐中枢に作用して、オエッとなるのを止める薬です。

そのため胃腸炎など末梢性の嘔吐の場合、まずは胃腸薬で様子を見ることが多いです。

胃腸炎でも嘔吐の頻度が多い場合は、最初から吐き止め薬を処方されることがあります。

<代表的な薬>

・メロクロプラミド(製品名ボミットバスター、プリンペラン)
・マロピタント(製品名 セレニア)

受診時の様子

年齢:7歳
持病:慢性腎臓病 ステージ2
症状が出始めた時期:2-3日前
吐き戻しの頻度:1日1回
元気:あり
食欲:いつもの7割
排便:良好

【処方された薬】

オメプラール、(後日追加で)アルサルミン

【薬の効果】

オメプラール5日投薬しても、1日1回の嘔吐が継続。アルサルミンを併用し始めてから、少しずつ嘔吐が減少。

【完治するまでの期間】

投薬から10日間。半年前の嘔吐治療は2-3日で治まったので、今回はやや長めでした。

数年前の話です。

当時飼っていた猫が週1~3回吐いており、かかりつけで数種類の胃腸薬とステロイドを試しました。

しかし一時的には改善するものの、しばらくすると薬が効かなくなるを繰り返していました。(本猫は元気で、血液検査も異常なし)

そこでセカンドオピニオンへ行ってみることに。

胃腸薬はモサプリド(消化管の動きを良くする薬)を処方されました。

最初の2週間はとても調子が良く、吐き癖が改善した!と喜んでいましたが、次第に効かなくなってきました。

そして嘔吐はほぼ毎日となり、下痢も併発してしまいました。

モサプリドが効かなくなったことを先生に伝えると、

「寒暖差や湿度など、季節柄が影響しているのかもしれません」

と言われ、その日はメトクロプラミド(嘔吐中枢に作用する吐き止め+胃腸運動促進)を注射されました。

処方されていたモサプリドを飲み切りましたが、やはり嘔吐症状が改善しないので再び病院へ。

フードの変更を提案され、処方された薬はまたモサプリド。

しかも2週間分。。。

この時点で1ヶ月も効かないモサプリドを投薬していたことと、別件で先生に不信感を抱いたことも重なり、この病院へ通うのはやめました。

結局健康上の問題はなかったので、完治は目指さず「吐きやすい体質」として向き合い、嘔吐が増える時期は元のかかりつけでお世話になりました。

セカンドオピニオンの先生がモサプリドを使い続けたのは、何か正当な理由があったのかもしれませんが、何の説明もなかったことで信頼関係が築けませんでした。

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