こんにちは、ネコリテです。
猫との暮らし方や悩み事など、実体験をもとにブログを書いています。
「老猫の闘病記」シリーズでは、2023年10月に虹の橋を渡った愛猫はなちゃん(享年17歳)の闘病記録を書いています。
今回は腎臓病で体調が悪化した頃のお話です。
2023年 春までは元気でした
吐き戻しは多いけど、血液検査はさほど問題なし
はなちゃんの腎臓腫瘍の疑いは晴れましたが、以前からの吐き戻しの多さは変わりません。
吐く頻度には波があり、週3回以上吐くようになったら受診し、胃腸薬で対処しながら2022年を過ごしました。
それ以外は問題なく、16歳のおばあちゃん猫にしては、毛並みがきれいで若々しい見た目でした。
ただ腎臓腫瘍ではなかったものの、謎の腫瘤(デキモノ)があった右の腎臓は萎縮し、機能を失っていました。
左の腎臓1つだけで頑張っている状態。
いわゆる腎臓病です。
2023年春の定期検診で、それは数値に表れ始めていました。
【血液検査】BUN37.2(目安17-32)やや高いが、さほど問題なし
【尿検査】尿比重1.022(目安1.035)やや低いが、さほど問題なし
それ以外の値は正常値だったので、「まだ治療や療法食は必要ない」との診断でした。
猫の慢性腎臓病のステージ分類
IRIS(国際獣医腎臓病研究グループ)のガイドラインでは、血中のクレアチニン値とSDMA値をもとに4段階のステージに分かれています。
ステージ | クレアチニン (mg/dl) | SDMA (μg/dl) | 症状 | |||
初期 | 第1期 | 1.6以下 | 18以下 | 症状なし | ||
中期 | 第2期 | 1.6~2.8 | 18~25 | 症状なし、または多飲多尿 | ||
後期 | 第3期 | 2.9~5.0 | 26~38 | 元気や食欲がない、体重減少、 毛艶が悪くなる、嘔吐、 脱水、貧血など | ||
末期 | 第4期 | 5.0以上 | 38以上 |
ステージによる治療内容は、個体差や先生の方針によって異なりますが、私はざっくりと以下を目安にしています。
【ステージ1】治療なし
【ステージ2】状況に応じてフードは療法食へ変更。ロイヤルカナン 早期腎臓サポート、またはそれに準ずる初期の腎臓病向けのフードを与える。血液検査+エコーを半年に1回受ける。必要であればラプロス投薬開始
【ステージ3】週1-2回の点滴が始まる。フードは本格的な腎臓病の療法食へ変更
【ステージ4】点滴は毎日~1日おき。毛並みがバサバサで体重減少。フードは食べてくれるもの(ちゅーる、たまの缶詰など)を与えて体重が減らないよう努める
2023年 夏から体調が崩れ気味
2023年7月にいつもの吐き戻しと、食欲が減ってきたことで病院へ行きました。
厳密に言うと食欲不振というよりは、
- 同じフードを食べ続けられない(飽きやすい)
- 好き嫌いが増えた
という偏食傾向にありました。
体重が4kg(春)→3.6kg(夏)と減少してきたので、いろいろなフードを試していました。
ロイヤルカナン、ヒルズ、ピュリナワン、モグニャン、犬猫生活、ロニー、ニャミーなど。
どれもすぐに食べなくなったので、ジャンクフード系も試してみました。
しかしどれも長続きせず。。。
猫ボラ仲間に教えてもらった、ママクックのフリーズドライも反応が薄く。。。
食欲が落ちた子でも、これをトッピングするとよく食べてくれるという人気商品ですが、はなちゃんには向いていませんでした。
試行錯誤した中で、唯一食べてくれたのは子猫用フードでした。
子猫用フードはカロリーが高いので、体重回復にはちょうど良かったのですが、腎臓の負担を考えると与え続けるのは不安。。。
困り果てて先生に相談すると、意外にも点滴を勧められました。
点滴は脱水をしていたり、腎臓病末期に行うものという認識でしたが、
「原因がよくわからない不調の場合、点滴で改善することがありますよ」
とのことで、試してみると効果テキメン!
食欲が回復し、通常のフードを食べてくれるようになりました。
ただ吐き戻しは相変わらずで、週5回(ほぼ毎日)くらい吐いていました。
点滴から1週間後、体調が悪くなり再び病院へ行くと、腎臓の数値が悪化していました。
【血液検査】BUN53.7(目安17-32)やや高い、CRE2.73(目安0.9-1.80)やや高いが軽症
【尿検査】尿比重1.020(目安1.035)やや低い、尿に細菌が多い
腎臓は機能が70%くらい消失した頃に、ようやく血液検査で表れるといいます。
クレアチニン(CRE)が2.73となり、腎臓病はステージ2相当となりました。
腎臓病による体調不良だとしたら、点滴で対症療法していくしかないので、それからしばらく点滴通院が続きました。(7月の点滴は計5回)
2023年8月には調子が良くなり、点滴は月2回になりました。
【血液検査】BUN40.8(目安17-32)やや高いが軽症、CRE1.87(目安0.9-2.11)正常
血液検査も先月よりは良い結果で、クレアチニンは正常値になりました。
しかしクレアチニンは腎臓機能が70%くらい消失した頃にしか、数値に表れないので、正常値とはいえ腎臓病が進行していることは確実です。
17歳で腎臓1つしか機能しておらず、ステージは1-2の間。
この状況から、あと1年くらいは一緒に過ごせると思っていました。
ちなみにこの時期、まだSDMA(腎機能を評価する血液検査)は行っていませんでした。
理由として、当時のかかりつけ医が「必要以上の検査や治療はしない」という方針で、はなちゃんの状態についても「BUNとクレアチニンで腎臓の状態を確認すれば問題ない」と判断していたためです。
またSDMAの測定は院内では行えず、追加料金で外部に検査を依頼する必要があったため、病院側が飼い主への配慮として避けてくれていたのだと思います。
2023年9月「予防点滴」で体調良好
2023年9月は週1回の点滴で、体調を維持できていました。
体調を崩してから点滴をするよりも、予防的に点滴をしておく方が猫ちゃんへの負担が少なく済むよ
高齢だったこともあり「いかに体調を崩さないか」を重視し、調子が良い時も予防的に点滴を受けていました。
幸いはなちゃんは病院を嫌がらないタイプだったので、通院の負担も少なかったと思います。
あとは通院による移動の負担(キャリーに入っている時間)を減らすため、家から近くて予約制の病院へ転院しました。
腎臓病の治療なら、どの病院でも内容にあまり差はないので、距離重視で選びました。
頻繁な病院通いが続くと飼い主さんも参ってしまうので、病気ごとに動物病院を使い分けることは、とても大事だと感じています。
2023年9月は便秘がちだったので、主食はロイヤルカナンの「消化器サポート可溶性繊維」でした。
はなちゃんは「消化器サポート可溶性繊維」が好きで、食欲の波はあるものの、飽きずに食べ続けてくれました。
食欲が落ちてきた時は、とろリッチをトッピングして対処。
最初はトッピングにちゅーるを使っていましたが、1本14gなので使い切るのに2日かかり、衛生面がちょっと心配でした。(保存料が入っていないので、開封当日に食べ切った方が良い)
与えすぎて腎臓の負担になっては困るので、ちゅーるの約半量サイズのとろリッチ(1本6g)を愛用していました。
はなちゃんの好み的にも、ちゅーるよりとろリッチの方が食いつきが良かったです。
とろリッチに飽きないようアソートパックを購入して、いろんな味を与えていました。
とろリッチが効かない時は、たまの伝説(通称 たま伝)という缶詰が活躍していました。
腎臓病は多尿で脱水しがちなので、水分補給としてウェットフードは役に立ちました。
この「たま伝」も良い商品ですが、さらにグレードアップしたものが、ねこ様用のかつおパウチ。
猫ボラ仲間に教えてもらったのですが、ものすごく食いつきが良い!
私も味見をしてみましたが、美味しかったです。笑
はなちゃんは「魚好き」ということもあり、喜んで食べてくれました。
ただ高級品なので日常使いはできず、わが家では「いざという時の最終兵器」にしていました。
<闘病記③へ続く>
【まとめ】2023年3月~9月の治療記録
時期 | 体重 | 受診目的 | 治療 | ||||
2023年 【17歳】 | 3月 | 4kg | 健康診断 | 【エコー】右腎が通常の腎不全とは異なる萎縮の形になっている。開腹しないと診断ができないが、高齢なのでこのまま様子見。左腎は正常。 心臓におかしな白い筋があるが、動きは良好 【血液検査】BUN37.2(目安17-32)やや高いが、さほど問題なし 【尿検査】尿比重1.022(目安1.035)やや低いが、さほど問題なし | |||
7月 前半 | 3.6kg | ・吐きが多い ・食欲減(偏食傾向) | 【点滴+胃腸薬投与】 【薬】胃腸薬ガスター | ||||
7月 後半 | 3.6kg | ・前日に点滴を受けたが改善しない ・下痢 | 【点滴+ステロイド+抗生剤投与】 【血液検査】BUN53.7(目安17-32)やや高い、CRE2.73(目安0.9-1.80)やや高いが軽症 【尿検査】尿比重1.020(目安1.035)やや低い、尿に細菌が多い 【薬】抗菌薬フラジール、止血剤トランサミン ★点滴通院開始 7月は計5回 | ||||
8月 前半 | 3.5kg | ・薬をやめると吐き再開 ・前日から下痢 | 【点滴+抗生剤投与】 【薬】下痢止めディアバスター、抗菌薬フラジール | ||||
8月 後半 | 3.5kg | ・食欲減 ・便が固く、少ない | 【血液検査】BUN40.8(目安17-32)やや高いが軽症、CRE1.87(目安0.9-2.11)正常 【点滴+カリウム投与】 ★8月点滴 計2回 | ||||
9月 | 3.4kg | 週1-2回の点滴 | ★9月点滴 計5回 |