こんにちは、ネコリテです。
猫との暮らし方や悩み事など、実体験をもとにブログを書いています。
「老猫の闘病記」シリーズでは、2023年10月に虹の橋を渡った愛猫はなちゃん(享年17歳)の闘病記録を書いています。
今回は腎臓病が悪化~虹の橋を渡るまでのお話です。
2023年10月前半 再び体調悪化
2023年9月は週1回の予防点滴のおかげで、元気に過ごしていました。
しかし10月に入ると、嘔吐・食欲不振・軟便など再び体調が悪化。
検査をすると、1ヶ月前よりも「正常値におさまらない項目」が増えていました。
【血液検査】BUN62.1(目安17-32)高い、CRE2.33(目安0.9-2.11)やや高い、総蛋白9.7(目安6-8)高い、中性脂肪188(目安6-138)高い、カルシウム13(目安9-11)高い、カリウム6.0(目安4-5.5)やや高い、SDMA22.8(目安14以下)高い、それ以外は正常
【尿検査】尿比重1.016(目安1.035)低い
【エコー】右腎は前回から変化なし、左腎正常
確実に腎臓病の症状が進行しています。。。
今回初めてSDMAの検査を受けたところ、数値は22.8μg/dl。
クレアチニンは2.33mg/dlだったので、ステージ2(3寄り)という診断が下りました。
ステージ | クレアチニン (mg/dl) | SDMA (μg/dl) | 症状 | |||
初期 | 第1期 | 1.6以下 | 18以下 | 症状なし | ||
中期 | 第2期 | ★2.33 1.6~2.8 | ★22.8 18~25 | 症状なし、または多飲多尿 | ||
後期 | 第3期 | 2.9~5.0 | 26~38 | 元気や食欲がない、体重減少、 毛艶が悪くなる、嘔吐、 脱水、貧血など | ||
末期 | 第4期 | 5.0以上 | 38以上 |
数値自体はステージ2なのでそこまで重症ではありませんが、老猫で体力が乏しいせいか、症状はステージ3相当でした。
点滴は週2回に増やし、吐くことが増えたので胃腸薬は経口投与→点滴投与へ変更しました。
そしてフードは腎臓病の療法食へ切替え。
わが家で食べていた療法食は、
- 早期腎臓サポート/ロイヤルカナン
- 腎臓サポート/ロイヤルカナン
- 腎臓サポート スペシャル/ロイヤルカナン
- 腎臓サポート セレクション/ロイヤルカナン
- キドニーキープ リッチテイスト/ダイエティクス
- kd 早期アシスト/ヒルズ
- kd ツナ/ヒルズ
- kd チキン/ヒルズ
一般的に「腎臓病の療法食は美味しくない」と言われているので、かかりつけで取り扱っていたものを片っ端から試しました。
特に嫌いなフードはありませんでしたが、同じフードが続くと飽きて食べなくなるので、ローテーションしたり朝晩で種類を変える工夫は必要でした。
あと開封直後のフードは食いつきが良いので、療法食は500g(最小サイズ)を買うようにしていました。
中でも「キドニーキープ リッチテイスト」は1箱が25g×8分包なので、鮮度が良く、はなちゃんも好んで食べてくれました。
フードは亡くなる1週間前までしっかり食べていて、体重も3.5kgくらいあったので、いわゆる末期のガリガリに痩せ細ってしまう状態にはなりませんでした。
2023年10月末 看取り~虹の橋
10月下旬から、点滴を吸収しにくくなりました。
翌日になっても、皮下にたぷたぷと輸液が残ったまま。
吸収できないほど、体は限界にきていました。。。
でも点滴で水分を循環させないと、毒素が体中を回ってしんどい思いをさせてしまう。。。
輸液量を減らして、点滴を続けるべき?
いや、皮下に輸液が溜まるだけで意味がないか。。。
水分を代謝できず、腹水や胸水が溜まって苦しませることも避けたいし。。。
それに排尿も減ってきている。。。
半年以上は先だと思っていた看取り期が、想定より早く来てしまいました。
治療を続けるかどうかの基準は「苦痛を取り除けるかどうか」と決めていたため、これ以上の点滴は行わないことにしました。
とはいえ、まだ医療の力にすがりたい気持ちもあり、先生と相談をして一度だけ利尿剤を試すことにしました。
利尿剤は腎臓に負担がかかるリスクもありますが、排尿によって少しでも楽になれば、回復の可能性があるかもしれないという判断でした。
しかしわずかな希望にかけてみたものの、その願いは叶わず。。。
翌日、はなちゃんが冷たい床の上へ行くようになったのを見て、これ以上の医療は苦しめるだけだと悟りました。
猫の看取りについて調べていた際、「枯れるように逝く」という考え方を知りました。
死期が近づくと、体は最期を迎えるための準備を始めるそうです。
飲食を拒み、水分が出て行き、体温が下がり、枯れたような状態になることで、体は穏やかな死を迎えようとする。
はなちゃんが冷たい場所へ行きたがる行動も、まさに枯れる準備でした。
飼い主にできるのは、その邪魔をしないことと、側にいること。
そして食べなくなって4日目、はなちゃんは虹の橋を渡りました。
腎臓病ステージ2(3寄り)と判定されてから、わずか1ヶ月での別れとなりました。
<闘病記④へ続く>
【まとめ】2023年 最期の一年の治療記録
時期 | 体重 | 受診目的 | 治療 | ||||
2023年 【17歳】 | 3月 | 4kg | 健康診断 | 【エコー】右腎が通常の腎不全とは異なる萎縮の形になっている。開腹しないと診断ができないが、高齢なのでこのまま様子見。左腎は正常。 心臓におかしな白い筋があるが、動きは良好 【血液検査】BUN37.2(目安17-32)やや高いが、さほど問題なし 【尿検査】尿比重1.022(目安1.035)やや低いが、さほど問題なし | |||
7月 前半 | 3.6kg | ・吐きが多い ・食欲減(偏食傾向) | 【点滴+胃腸薬投与】 【薬】胃腸薬ガスター | ||||
7月 後半 | 3.6kg | ・前日に点滴を受けたが改善しない ・下痢 | 【点滴+ステロイド+抗生剤投与】 【血液検査】BUN53.7(目安17-32)やや高い、CRE2.73(目安0.9-1.80)やや高いが軽症 【尿検査】尿比重1.020(目安1.035)やや低い、尿に細菌が多い 【薬】抗菌薬フラジール、止血剤トランサミン ★点滴通院開始 7月は計5回 | ||||
8月 前半 | 3.5kg | ・薬をやめると吐き再開 ・前日から下痢 | 【点滴+抗生剤投与】 【薬】下痢止めディアバスター、抗菌薬フラジール | ||||
8月 後半 | 3.5kg | ・食欲減 ・便が固く、少ない | 【血液検査】BUN40.8(目安17-32)やや高いが軽症、CRE1.87(目安0.9-2.11)正常 【点滴+カリウム投与】 ★8月点滴 計2回 | ||||
9月 | 3.4kg | 週1-2回の点滴 | ★9月点滴 計5回 | ||||
10月 前半 | 3.1kg | 吐き、軟便、食欲減 | 【点滴+胃腸薬シメチジン投与】 【エコー】右腎は前回から変化なし、左腎正常 【血液検査】総蛋白9.7(目安6-8)高い、BUN62.1(目安17-32)高い、CRE2.33(目安0.9-2.11)やや高い、中性脂肪188(目安6-138)高い、カルシウム13(目安9-11)高い、カリウム6.0(目安4-5.5)、SDMA22.8(目安14以下)高い 【尿検査】尿比重1.016(目安1.035)低い ★腎臓ステージ2(3寄り)の診断 | ||||
10月 後半 | 3.5kg | 吐き、食欲減 | 【点滴+胃腸薬シメチジン投与】 尿が出ない→利尿剤1回投与 ★10月点滴 計9回 |